RAW現像でパソコンの処理が遅い場合、多くはCPUのスペック不足が考えられます。
RAW現像パソコン向けのCPUはこれまでCore i7がオススメと言われてきましたが、IntelのCPUも第12世代になり全体的にスペックアップしています。
これまでのCore i7に匹敵する性能を持ったCore i5も登場しています。
最新のカメラは連写性能やAF性能が著しく向上しているものの、画素数に関してはそれほど変化がありません。
最新のCore i5ならRAW現像は快適にできるのでしょうか?
ここでは写真編集・RAW現像のパソコンをCore i5で選びたい方向けに、PC購入時に注意したいポイントとCore i5搭載おススメのパソコンを10台紹介します。
この動画はCP+2019で行われた写真家の諏訪光二氏によるフォトレタッチのPC設定についてのセミナーです。
RAW現像をする際に古いソフトウェアを使っている場合どのような不具合が起こるのか、RAW現像を快適に作業するためにやっておいた方が良いパソコンのデータ整理について詳しく解説してくれています。
PCのRAW現像のデータ処理が遅いと感じている方はぜひ視聴してみましょう。
RAW現像を行っていく上で重要になるのが作業用のパソコンスペックです。
100枚以上のRAWデータをLightroom Classic CCで現像作業を行う場合、低スペックのパソコンでは快適に作業を進めることができません。
RAW現像向けのパソコンを選ぶときにどのCPUを選択すればよいのかとても悩ましいです。
パソコンショップではRAW現像用にCPUはCore i7を勧められることが多いです。
もちろん上位のCPUを選ぶ方が良いのは分かりますが、予算には限りがありますよね。
RAW現像にCore i5が使えるのかどうかと言われれば、ズバリ十分に使うことができます。
最新のCore i5ではコア数も10コアで世代が変わるごとに性能アップしています。
価格的にもCore i7と比べると1万円以上安くなるのでお買い得と言えるでしょう。
第14世代のCore i5-14400はRAW現像を十分こなせるのでコストパフォーマンスとしては最高です。
ただし問題は写真の総枚数です。
総枚数が千枚以上、一度の書き出しに100枚以上となってくると、処理に相当な時間がかかるので、そうした場合は余裕があるCore i7の方が断然良いです。
また使用するデジタルカメラの画素数でも、Core i5が使えるかどうかを考えなくてはいけません。
大まかな基準としては、4000万画素が1つのラインです。
この画素数を超えるような高画素カメラを使っている人は、Core i7を選択したほうが良いです。
反対に3000万画素未満のデジタルカメラであれば、Core i5でも十分に処理を行えるでしょう。
Core i5は十分にコストパフォーマンスが良いですが、あまり信用しすぎてもいけません。
ただしこれから写真を始めるような初心者の方の場合は、Core i5でも十分にRAW現像できますよ。
「最終的にCore i5とCore i7のどちらが写真編集向けなの?」と疑問に思う人も多いでしょう。
基本的には使っているカメラの画素数と扱う写真の枚数で決めれば良いと思います。
少し前までであればCore i7の方が優れているのが明白でした。
Core i7はハイパースレッディング機能を持ち、Core i5にはハイパースレッディング機能を搭載していなかったからです。
しかし、Intel CPUは第10世代のCore i5からハイパースレッディング機能を持っており、例えばCore i5-14400は10コア16スレッドになっています。
性能については8コア16スレッドの第10世代 Core i7-11700Kよりも性能が良く、値段が安い分お買い求めやすいCPUです。
Core i5-14400 | Core i7-14700 | |
---|---|---|
コア/スレッド数 | 10コア16スレッド | 20コア28スレッド |
定格クロック数 | 2.5GHz | 2.1GHz |
ターボブースト時クロック数 | 4.7GHz | 5.4GHz |
TDP(基本/ターボ時) | 65W / 148W | 65W / 219W |
ほとんどのRAW現像用ソフトの推奨環境はIntelならCore2 Duo以上となっており、Core i5・i7どちらも満たすことになります。
・SILKYPIX Pro 9
・Lightroom Classic CC
・Photo Lab 2
・Capture One Pro
Core i5とi7の動作周波数は大きく変わりませんが、一般的にコア数が多いほど並列で処理ができるので Core i7の方が負荷のかかるRAW現像には向いています。
しかし、数十枚程度のRAW現像作業であればCPUに大きな負荷はかからないので、枚数も少なく過度な編集をしない場合はCore i5でも十分です。
ただしコア数が変わると書き出しの速度がかなり違ってきますので、資金的に余裕があればCore i7を利用した方が良いです。
Core i5でも問題なく利用できますので、利用の仕方や頻度なども考慮に入れて決めるといいです。
PCスペックは最初から無理をしなくても、必要になった時にCPUも交換できるBTOパソコンを使えば手軽に交換できますよ。
RAW現像をするのならCPUの次に重視したいのがストレージです。
ストレージとは端的には記憶容量のことになります。
パソコンの場合はHDDやSSD、または外付けHDDなどが一般的なものになるでしょう。
ごく一般的なパソコンの場合では500GBから1TBが主流になっています。
ストレージ容量はOSやソフトウェア、キャッシュなどでも消費するので、すべてが写真の保存に使えるわけではありません。
RAW現像をするのなら、基本的にストレージの容量は大きい方がいいです。
RAWデータは1枚あたりのデータ量が、圧縮されたJPEGと比較すると倍以上あるからです。
一般的な2400万画素のカメラで撮影したデータで、RAWとJPEGの両方を保存した場合、1TBのストレージで約2万7千枚の保存ができます。
どれだけ写真を保存するのかにもよりますが、できれば外付けのHDDで1TB以上のものがあれば、十分な容量を確保できます。
さらにクラウドストレージなども使うと、便利に利用できるはずです。
最近ではクラウドという、オンラインで活用できるストレージも増えてきています。
現在BTOパソコンだけではなく、システムドライブに使われるストレージはSSDが主流となっています。
もちろんHDDを選んでも使えなくはないのですが、処理速度などを考慮するとSSDを選んだ方がいいでしょう。
SSDとはソリッドステートドライブの頭文字をとったものです。
その特徴はHDDと比べてデータの書き込み、読み込みの速度が大幅にアップしている点でしょう。
SSDは内蔵チップにデータの読み書きをしているため、HDDと比べて圧倒的な速度が見込めます。
またSSDはHDDのように回転をするディスクがないため、無音で静かという特徴もあります。
故障するリスクも低いので、最近ではシステムドライブにSSDは鉄板だと言っても良いでしょう。
少し前までは欠点としてSSDの容量が少ないこと、値段がHDDと比べて高値であること、の2点がありました。
しかし最近では価格もかなり下落傾向にありますし、懸念だった容量の少なさも改善されています。
大容量高速読出しのM.2 SSDもかなり安価になってきていますよ
システムドライブには高速読み出しのM.2 SSDを使って、保存するディスクはHDDという感じでデュアルストレージを使うのが一般的です。
お互いのデメリット部分を消し長所のみを使える上、コストパフォーマンスにも優れるのでデュアルストレージがオススメです。
では最後に保存用のストレージはどの程度の容量があればいいのかを考えてみましょう。
保存用のストレージとして向いているのが、HDDもしくはクラウドストレージです。
クラウドストレージはオンラインでないと使えませんが、HDDの故障などによってデータ消失をするリスクがありません。
また利用する場合は有料プランにしないと、大容量を確保できないのがネックと言えるでしょう。
HDDのメリットは低価格で大容量の保存を行える点で、オフラインでも接続できることです。
月額課金のクラウドストレージよりもHDDのほうが安価です。
そしてHDDを写真の保存用として使うのなら、外付けのHDDがオススメです。
容量としては2TB以上のものがいいでしょう。
最近だと12TBもの容量のHDDが販売されていますが、プロでなければそこまでの容量はさすがに必要ありません。
ハードディスクは故障の可能性があるので、大容量のHDD一つで済ませるのではなく、複数のHDDで管理するのが良いです。
余裕を見て、2TB程度であれば十分に使えるはずです。
2TB以上5TB以下のHDDは製品が多いため、価格が比較的に安定しているのもポイントです。
1GBあたりの単価も安くつきますから、このスペックのHDDを保存用としてお勧めします。
mouse SH-I5U01は第14世代の10コアCPUを搭載しているマシンです。
インテル Core i5-14400プロセッサーを採用しており、RAW現像が出来るモデルと言えるでしょう。
グラフィックスはCPU内蔵のGPU インテル UHD グラフィックス 730を使っていて、RAW現像ソフトがサクサク動くようになっています。
メモリは16GB PC5-38400です。
メモリ16GBで快適にRAW現像が出来ます。
マウスコンピューター公式サイト:mouse MH-I5U01の購入者レビューを確認する
マウスコンピューターのBTOデスクトップパソコンなので、後からメモリやHDDを増設することも簡単にできます。
またストレージには500GBのM.2 SSD Gen4が搭載されています。
予算に余裕があれば容量やHDDを追加するのをおススメします。
処理速度の速いSSDの方へ、よく使用するRAW現像のソフトやカタログデータ、プロジェクトデータを入れておき、RAWデータや書き出したJPEGデータは、ハードディスクの方へ保存することができます。
ちなみに光学ドライブは標準では付属していません。
DVDなどから素材を読み込むことが多いなら、DVDドライブを追加で搭載しましょう。
mouse MH-I5U01
CPU:Core i5-14400129800円(税込)
マウスコンピューターでcore i5のノートパソコンなら、mouse B5シリーズのcore i5搭載パソコン「mouse B5-I5」が一押しです。
このモデルには10コア12スレッドの第12世代インテルCPUが使われています。
インテル Core i5-1235UはRAW現像などの負荷が高い作業もきちんとこなしていけます。
目が疲れにくい15.6型フルHDノングレア液晶搭載が使われています。
この液晶サイズが、RAW現像に必要な作業領域を確保しつつ、外出なども出来るベストな大きさと言えるでしょう。
SATA M.2 SSD搭載で、処理が速いNVMeにも変更できます。
インターフェースも使い勝手を考慮されたものです。
USB Type-CはPD入力・常時給電に対応しているのでスマホの充電もでき、さらに画面出力にも対応しています。
自分がRAW現像しやすいようなスペックにカスタマイズできるのが、マウスコンピューターのBTOパソコンの魅力です。
メモリは16GB PC4-25600搭載で、photoshopとLightroomを同時に立ち上げることが多い場合は32GBにアップグレードするのをお勧めします。
mouse B5-I5I01SR-B
CPU:Core i5-1235U129800円(税込)
ドスパラのGALLERIA DM5C-IG-Cには、10コア16スレッドの Core i5-14400が採用されています。
第14世代のCPUでRAW現像を行なうために必要なスペックを備えています。
グラフィックスにはインテルCPUの内蔵GPUであるUHD グラフィックス 730を使い、メモリは16GBを搭載しています。
ストレージは1TBのSSDです。
ディスク容量に不安がある方は1TBのHDDを追加してデュアルストレージにすると良いでしょう。
光学ドライブは非搭載です
このモデルはコンパクトでありながらも、core i5を搭載しているので優れたパフォーマンスを発揮してくれます。
この価格でグラフィックボードも搭載してくれているのは嬉しいですね。
GALLERIA DM5C-IG-C
CPU:Core i5-14400129980円(税込)
ドスパラのCore i5を搭載したRAW現像用のノートパソコンならTHIRDWAVE DX-R5がおすすめです。
インテル Core i5-1335Uを使っています。
メモリには16GB、ストレージは500GBのSSDを搭載しています。
グラフィックスはインテル Iris Xeグラフィックスで、かなり価格が抑えられているのも魅力です。
またポータブルHDDと併用することで、RAW現像後のJPEGデータもたくさん保存しておけます。
従来製品よりも薄型化されている15.6インチノートPCで、重量は1.7kgと一般的な重さです。
THIRDWAVE DX-R5
CPU:Core i5-1335U102980円(税込)
レノボのデスクトップPCで第14世代のcore i5を搭載しているのが、ここで紹介するパソコンです。
大幅スペックアップしたCore i5-14400FでRAW現像をバリバリこなしていきます。
メモリは16GB容量で、ストレージは512GB M.2 SSD NVMeという構成です。
デュアルストレージではないのでRAW現像には外付けHDDは必要でしょう。
Lenovo Legion Tower 5i Gen 8 :カスタマイズモデル
CPU:Core i5-14400F209880円(税込)
レノボのcorei5を積んでいるノートパソコンでは、ThinkPad E14 Gen 5がRAW現像に向いています。
ノートパソコンでありながら、パワフルなCPUを搭載しています。
第13世代のCore i5-13420Hで負荷の掛かる作業もきちんと行えます。
14型WUXGA液晶 (1920 x 1200) で非光沢液晶のため、照り返しが少ないのも長時間の現像作業では助かるでしょう。
薄型で持ち運びやすいので外出先での写真編集にも非常に便利です。
ThinkPad E14 Gen 5
CPU:Core i5-1335U93181円(税込)
RAW現像をするのに他にもおすすめなデスクトップパソコンは、ツクモ eX.computer GA5J-C230BN/CP4です。
このパソコンは、第14世代 インテル Core i5-14400Fプロセッサーを搭載しています。
メモリは16GBで最大128GBまで搭載することが出来ます。
出来れば16GBくらいのメモリがあればベストですね。
メインストレージは1TBのM.2 SSD PCIe 3.0の構成です。
SSDが1TBもあればOSやRAW現像用ソフトを入れるくらいなら容量不足にはならないでしょう。
RAWデータ保存用のHDDを2TBほど追加して搭載するのがオススメです。
eX.computer G-GEAR GA5J-C230B3/CP7
CPU:Core i5-14400F
グラフィックス:NVIDIA GeForce RTX 4060 8GB
メモリ:16GB PC4-25600
ストレージ:M.2 SSD NVMe 1TB
149,980円(税込)
マウスコンピューターのビジネスノートパソコンシリーズ mouse K5-I7G50BK-Aは、第12世代のCore i7-12650Hを積んでいます。
RAW現像の作業にも耐えうるノートパソコンです。
メモリは16GB、ストレージは512GB M.2 PCIe NVMe SSDです。
マウスコンピューター公式サイト: mouse K5-I7G50BK-A の購入者レビューを確認する
mouse K5-I7G50BK-Aの液晶モニターは15.6型のフルHD解像度でバックライトLEDタイプです。
非光沢仕様なので、光の反射もなく長時間の編集作業でも目が疲れにくいです。
またベゼルが狭く、縁ギリギリまで液晶モニターが広がっているので、15.6型以上の大きさに感じます。
画面が大きいのでRAW現像しやすいですよ。
mouse K5-I7G50BK-A
CPU:Core i7-12650H139800円(税込)
mouse K5-I7GM5BK-A
CPU:Core i7-12650H132800円(税込)
>>販売終了しました
カフェなどでRAW現像をしたいときには、持ち出しやすいスタイリッシュなノートパソコンが便利です。
ドスパラ GALLERIA RL7C-R35-5Nは15.6インチのノートパソコンでスペックはRAW現像を行なうのに十分なものです。
CPUはインテル Core i7-12650H プロセッサーで、メモリは16GB搭載しています。
ディスプレイはノングレアタイプの15.6型フルHD液晶です。
ストレージは512GBのM.2 SSD Gen4が採用されています。
液晶サイズは15.6インチで外出先のRAW現像にも十分な広さを持っています。
非常にスリムでコンパクトなデザインですから、持ち運びが苦になりませんよ。
GALLERIA RL7C-R35-C5N
CPU:インテル Core i7-13620H137980円(税込)
※2月11日時点の価格です。最新の価格は公式ページをご確認下さい。
こんな感じです!
一部の高画素機を使っているプロの写真家ならCore i7やCore i9搭載のパソコンを使うべきですが、RAW現像の枚数が少ない場合はCore i5がオススメです。
最新のCore i5は以前のCore i7と同じぐらいの性能を発揮するので、RAW現像初心者の方はパソコンの予算が厳しい場合Core i5搭載モデルでも十分だと思います。
Core i5とi7は同じソケットなのでBTOパソコンでパソコンを買えば後からCPUをCore i7に交換することも可能ですよ。
CPUも簡単に交換できるのはBTOパソコンの強みですね!
ここで紹介したパソコンを参考にして、予算に合ったパソコンを買ってRAW現像の環境を整えてみてください!