RAW現像がはかどるパソコンって、良いグラフィックカードがないとダメなの?
パソコンでは画像や映像の処理速度を上げるにはグラフィックカード(ビデオカード)が必須であるという考えがあります。
ではRAWデータを使った画像編集ではグラフィックカードが必須なのでしょうか。
結論を先に言うと、新しいCPUのパソコンであれば、グラフィックカードは必ずしも必須ではありません。
ここではRAW現像用のパソコンにビデオカードは必須ではない理由と、ビデオカードが必要なケースについて解説します。
通称グラボって呼ばれるパーツはどんな役割なの?
グラフィックボード(ビデオカード)は画像処理専門のパーツです。
CPUにも同じ機能はありますが、ビデオカードがあると画像処理の負荷を分散できるので結果的に処理が早くなります。
RAW現像にグラフィックボードは必要なのか?
という問いに対する結論としては、あればいいなという程度です。
✅RAW現像にグラボは「あればよい」程度
✅RAW現像の枚数が少ないなら顕著な違いが出ない
✅PCショップのデスクPCなら後で追加できる
GPU(グラフィックカード)についても今回は処理速度への影響が見えづらい検証となりましたが、同じマシンで行う作業や、Adobe Lightroom Classic/Adobe Lightroomでの作業と並行して行うことが想定される作業の種類に合わせて検討した方がよさそうです。
パソコンショップのデスクトップPCなら後から追加もできますので、優先度は低めで問題ありません。
基本的にRAW現像を行うソフトが、さほどグラフィックボードに依存しないからです。
グラフィックボードがあるからといって、顕著な違いがでるわけではないので、RAW現像をする機会や枚数が少ない場合は必須ではないでしょう。
またソフト次第でグラフィックボードの依存性が異なるので、自分がどんな現像ソフトを利用をするのかで決めたほうが良いです。
RAW現像編集ソフト | 必要なグラフィック性能(Windows) |
---|---|
Adobe Lightroom Classic CC |
・64 ビットをサポートしている Intel または AMD プロセッサー(2 GHz 以上のプロセッサー) |
Adobe Lightroom CC |
・64 ビットをサポートしている Intel、AMD、または ARM プロセッサー |
SILKYPIX Pro 11 |
・Intel Core 2 Duo 以上 または AMD Athlon 64 X2 以上のプロセッサー |
Capture One Pro |
・2コア以上のAMDまたはIntel プロセッサー |
資金的に余裕があれば、グラフィックボードを追加するという程度で十分です。
これからRAW現像を始める初心者の方なら、特に必要はないでしょう。
ちなみにノートパソコンの場合は拡張機能がほとんどありませんので、必要なら最初から組み込まれているものを購入してください。
RAW現像用のパソコンならグラボは何がオススメ?
では自分のパソコンに載せるのなら、どの程度のものがいいのでしょうか。
グラフィックボードで有名なのが、NVIDIA GeForceというブランドです。
このGeforceならミドルクラスのものでもRAW現像に十分対応できます。
2019年にはGeForceのRTXシリーズも発売されていますが、RAW現像にはスペックオーバーです。
ミドルモデルのNVIDIA GTX1660シリーズで必要十分です。
ただ、最近の一眼カメラは動画性能がアップしており、写真だけでなく動画も撮影するようになった写真家も増えています。
RAW現像だけでなく高解像度(4K)の動画編集もやる方はNVIDIA GeForceのミドルクラス以上を使うのがオススメです。
✅RAW現像にはエントリークラスのGeForceがオススメ
✅高解像度の動画撮影もするならミドルクラス以上が良いです
✅PCショップのデスクトップがコスパ高
パソコンショップではRAW現像ユーザー向けにGeforceのエントリークラスを搭載したパソコンを揃えています。
パソコンショップのデスクトップなら低予算でコストパフォーマンスの良いパソコンが手に入ります。
カラーマネージメントモニターを使うならQuadroが良いかも..
プロ仕様でRAW現像・動画編集したい方はGeforceでは物足りなく感じる場合があります。
特に違いがでるのが画面の色情報です。
一般的なJPEG画像やMP4動画は8bitカラーで十分なのですが、最新の高性能なカメラではRAW画像で14bit、動画で10bitカラーの出力ができるようになってきています。
8bitカラーは約1677万色ですが10bitカラーなら10億6433万色と、桁違いの色情報があります。
ちなみにGeForce GTXシリーズでは8bitカラーの出力しか対応していません。
そこでプロのクリエイターが選んでいるのが、Quadroというグラフィックボードです。
QuadroやGeForce RTXシリーズであれば10bitカラーにも対応していますし、CG向けのパソコンに搭載されるほどの性能なので何年も使えます。
✅プロはRAW現像にカラーマネージメントディスプレイを使っている
✅ちょっと高いけど正確な色で色の編集ができる
✅ディスプレイポートで接続しないと性能を発揮しない場合がある(10bitの映像出力しないetc)
ほとんどの人がQuadroを使う必要はありませんが、プロ仕様の画像処理を挑戦したいのなら必須です。
Quadroはほとんどのクリエイター向けのソフトに対応するので、予算に余裕があればQuadroを選ぶのも選択肢の1つです。
GuadroエントリーモデルならGeForce RTXシリーズよりも安価になるのでオススメです。
RAW現像をする場合は液晶モニターも重要で、写真家は専用のカラーマネージメントディスプレイを使います。
モニターの表示とプリントアウトした写真の色が違うのを体験したことがありませんか?
カラーマネージメントディスプレイには、このような色のズレが起きないように経年劣化で生じた色のズレを工場出荷時の状態に戻せる機能があります。
RAW現像をするならカラーマネージメントディスプレイを使うのが断然オススメですが、注意点があります。
それはカラーマネージメントディスプレイの性能を発揮させるにはディスプレイポートと呼ばれるケーブルでグラフィックカードと接続する必要があります。
なのでカラーマネージメントディスプレイを使うなら、グラフィックカードを搭載したパソコンを選ぶ必要があるでしょう。
RAW現像時のパソコンの処理速度はグラフィックカードだけでなくストレージの種類によっても大きく変わります。
システムドライブがSSDであれば、RAW現像の処理速度をかなり速くできます。
最新のM.2 SSDの場合、HDDの4倍以上は処理速度が上がると言われていますので、体感でも随分と違ってきます。
なのでRAW現像をする時にはストレージにSSDは必須です。
予算的に厳しいのであればせめてCドライブだけでもSSDにした方がいいでしょう。
編集後の写真データを保存するディスクはHDDでも大丈夫です。
NEXTGEAR JG-A5G60はRyzen 5 4500を搭載したコスパ抜群のデスクトップパソコンです。
16GBメモリーとミドルクラスのグラフィックスを装備して価格も抑え目なのでオススメです。
起動ディスクはM.2 SSD NVMeで1TBの容量となっています。
RAW現像はもちろん動画編集にも対応できる性能を持っています。
NEXTGEAR JG-A5G60
CPU: Ryzen 5 4500142500円(税込)
※オプションでLEDケースファンを搭載できます
G-Tune DG-I5G60
CPU:インテル Core i5-14400F199800円(税込)
mouse K5-I7G50BK-Aはマウスコンピューターの低価格帯パソコンの中でも動画編集性能を備えたノートパソコンです。
重量は1.97kgで2kgを切るため、15.6インチのノートパソコンの中では持ち運びやすい部類です。
ビデオカードは、GeForce RTX 2050装備。LEDバックライトのスリムなナローベゼルで画面が広く見えます。
mouse K5-I7G50BK-A
CPU:Core i7-12650H149800円 ⇒ 139800円(税込)
mouse K5-I7GM5BK-A
CPU:Core i7-12650H132800円(税込)
>>販売終了しました
ここで紹介するレノボのデスクトップパソコンに搭載されているビデオカードは、ビデオメモリ8GBのNVIDIA RTX 4060です。
ストレージはシステムドライブに512GBのM.2 SSD NVMeと大容量なので3年現役で使えます。
Lenovo Legion Tower 5 Gen 8 カスタマイズモデル
CPU:Ryzen 5 7600158290円(税込)
レノボのノートパソコンはグラボ搭載でも価格が抑えられておりオススメです。
ここで紹介するノートパソコンのグラフィックカードはGeForce RTX 4050 6GB GDDR6で対応します。
メモリは16GBでRAW現像にも十分な容量です。
16インチの液晶モニターで、これだけのスペックでこの価格なら納得です。
Lenovo Yoga Pro 7i Gen 9 - タイダルティール
CPU:インテル Core Ultra 7 プロセッサー 155H199870円(税込)
GALLERIAシリーズは、ドスパラのRAW現像に適したハイスペック部品が詰め込まれているデスクトップパソコンです。
フロントからリヤに向けて、スムーズに空気が流れて排熱できるようになっています。
ビデオカードはミドルエンドモデル GeForce RTX 4060 Ti 8GB搭載。
GALLERIA RM5C-R46T
CPU:Core i5-14400F184980円(税込)
※9月16日時点の価格です。最新の価格は公式ページをご確認下さい
GALLERIA XL7C-R45-5はドスパラのRAW現像おすすめ15.6インチ液晶のノートパソコンです。
長い時間現像や写真の加工を行なっても、目が疲れないようなノングレアタイプの液晶が使われています。
グラフィックスはGeForce RTX 4050 6GB GDDR6で、HDMI・USB Type-Cから外部のディスプレイに接続できます。
GALLERIA XL7C-R45-5
CPU:インテル Core i7-13700H174980円(税込)
※9月12日時点の価格です。最新の価格は公式ページをご確認下さい
BTOパソコンショップのツクモのデスクトップパソコン eX.computer GA5J-C230BN/CP4もRAW現像にオススメです。
CPUはクリエイターにも人気があるCore i5-14400Fに16GBメモリーとデュアルストレージ仕様です。
ビデオカードはNVIDIA GeForce RTX 4060で価格を抑えつつ性能も担保されており、バランスの良い構成となっています。
eX.computer G-GEAR GA5J-C230B3/CP7
CPU:Core i5-14400F
グラフィックス:NVIDIA GeForce RTX 4060 8GB
メモリ:16GB PC4-25600
ストレージ:M.2 SSD NVMe 1TB
149,980円(税込)
こんな感じです!
✅RAW現像の枚数が少ない(一度に50枚以下)
✅カメラの画素数が中程度(2000万画素)
✅カラーマネージメントディスプレイを使わない
であれば、無理してグラフィックカードを搭載したパソコンを買う必要はありません。
GPU内蔵の最新CPUのパソコンであれば、RAW現像は問題なくできます。
もし将来的に3000万画素以上のカメラを買う予定があったり、専用のディスプレイを使ってRAW現像に挑戦するなら、エントリーモデルのグラボを搭載したパソコンがおススメです。
パソコンショップのデスクトップPCならグラフィックカードを追加することもできるメリットもありますよ。